この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第1章 ~始まりの森~

「ふーん、サクはそんなにカラダが訛っているのか……俺が、激しい運動させてやろうか?」
「な、何……やめてよ。兄様前で!」
サクナはそれが何を意味してるか知っているため慌てふためく。
「ヤラシ……サク。何想像したの?」
今度は耳元でボソッとルカは呟く。
サクナは顔を沸騰させ茹でだこのように赤くした。
「……なぁ、サク。そんなに俺と一緒になるのがイヤなのか?」
狼狽するサクナに、ルカは真剣な眼差しを向け聞いてくる。
嫌なわけじゃない。
イヤじゃないから……困ってしまう。
サクナは王都より離れた小さな村の娘だった。
祈り姫として城に仕えたのはつい先月のこと。
十六歳になり母と代わり国を護る祈り姫となった。
謁見の間にて、リキマシア国王であるルカと出逢ったのはその時だ。
祈り姫であるサクナは、ケイルとルカの護衛の元毎朝、森の高台で祈りを捧げる。
身分の隔たりなど気にしない陛下は、人懐こい性格をしていて、サクナは誰よりも陛下と近い存在になった。
それが令嬢たちの逆鱗に触れてしまった。

