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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第9章 ~夜宴は月夜の下で~

何かあってからでは遅い。
ルカはミモリを強制的に監視させるための結婚を要求する事にした。
ミモリの父であるナーシサス公爵の許可も得た。
後は本人に話すのみ。
「何も起こらなければいいのだけど」
「目的がわからないのなら仕方ない、だが、これ以上サクナを傷つけると言うなら俺も黙ってはいれない」
ケイルは切れ長の瞳をつり上げルカを見る。
成長したケイルはセシュルドをおもわす冷静沈着、炎のように紅い緋色の瞳その強い眼差しは、友人ではなく剣士の眼だ。
「ああ、それは俺も同じだ」
補佐官が素直に従えばそれで良し。
しかし、何らかの目的がある以上気は抜けない。
ヴィストーターは、性格に難点があるものの信用のおける人物。
────まあ、その難点のお陰で引き受けてくれたのだからいいが…………

