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第6章 新たなる運命

「…凪子…。
きみはまだ若いのだから、そんな風に決めつけなくても…。
まだまだこれから素晴らしい出会いがたくさんあるはずだよ」
励ますように声を掛ける。

凪子はサイドテーブルに茶器を丁寧に置き、視線を逸らしたまま口を開いた。

「いいえ、お父様。
私はもう、結婚するつもりはありません。
…私はもう…」

…誰も愛することは、ないでしょう…。

独り言のようにそう呟くと、

「…売店に買い物に行ってまいります…。
すぐに戻りますね…」

優しい…儚げな微笑みを残して、静かに病室を後にしたのだった。