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シャイニーストッキング
第20章 もつれるストッキング4     律子とゆかり
 138 昂ぶりの余韻(8)

 つまり律子は…
 嫉妬心による激しい欲情を昂ぶらせている。

 それはさっきまでこの常務室にいたゆかりに対しての熱い想いと、嫉妬からの対抗心…
 そして私に対する独占欲からなのであろう。

 そう…
 それは、この私の、あまりにも情けない優柔不断なさっきの態度…
 そして、ゆかりと律子が同室し、対面し、対峙するという現実を事前に知っていたのにも関わらずの、あの情けない優柔不断さ…
 全然、尖れない自分の弱さ。

 全てはそんな自分の情けない弱さが、この律子に嫉妬心を生ませてしまい、それによって独占欲という欲情の想いを昂ぶらさせている…
 つまり、そんな情けない私が原因なのである。

 もう一昨夜、昨夜と律子を抱き、その愛を完全に自覚した筈なのに…

 そしてそれと同時に、そう、ギンギンに尖っていく…
 というあの想いを心に固く誓った筈なのに。

 私は律子の熱い想いの欲情の昂ぶりという激情の激流を受けながら…
 自分の情けなさに辟易としてしまってもいたのである。

 このいつも冷静な、凛とした美しい律子を狂わせているのは…
 この私の優柔不断な情けなさなのだと。

「あ、アナタぁ、アナタが…ほ、欲しいのぉ…」

『アナタが欲しいの…』
 正にその律子の呟きが、その言葉が、私自身の情けない弱さを表している…
 そしてその弱さが、この律子を狂わせてしまっているのだ。

 こんな律子を見たことがない、では、無いのだ…
 この私が、この私の弱さが、この律子を、こんな律子を狂わせているのである。

「はぁ、ふぅ、あ、アナタぁ…」
 すると律子は…
 貪る唇を離し、私の首元、つまりネクタイを外しにかかってきた。

「り、律子…」

 そう…
 もう律子の欲情の昂ぶりは止まらないであろう。

 だから…

 だから、せめて、私が律子を受け入れなくては…

 私の愛を捧げ…

 私の愛を証明しなければ…

 もうこの律子の欲情の昂ぶり…

 メスの衝動は止まらない…

 いや、治まらないないであろう。

 ゆかりもそうだった…

 抱いてあげねば、愛さねば…

 治まり、鎮まなかったから…
 


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