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キャンバスの華
第6章 銭湯の主人と女将
男湯の脱衣場にに入ったところで、
女将は「あら?」と歩みを止めた
『なぜ、うちの旦那の服が・・・』
脱衣場の隅に
旦那があわてて脱いだ服が散乱していた。
『え?・・・・・まさか・・・』
その横の脱衣籠(かご)の中に
女物の衣服が・・・・
女将の視線を追って次郎も
脱衣籠(かご)の中身を確認した。
「お、女将さん・・・これって・・・」
「あ・・・いえ、なんでもないの、
あ!そうだ、やっぱり母屋の浴室に行きましょ。 狭いけどそのほうがあんたと密着できるし・・・・」
女将が次郎の手を取って
「さあ、いきましょ」と言ったその時・・・!!!
「ああん・・・・いやん・・・
やっぱりダメぇ!!」
華の甘えたような声が耳に飛び込んできた。
『華!?』
ま、まさか・・・・・
次の瞬間、次郎は女将の手を振り切って
湯殿に走り出した。

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