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第11章 新たな旅立ち

「紗友里です。
よろしくお願いしま～す」
紗友里は屈託のない笑顔で挨拶をしてきた。

「どういうことですか？」
夏美を見捨てて紗友里と組むなんて…
「いや、彼女がタレントになりたいっていうから
この仕事を紹介したんだけどね
最初はグラビアの仕事だったんだけど
彼女、意外と大胆でね
ヌードもへっちゃらと言うんだ」
そこから事務所としても方向性を変えて
彼女をAVに出演させたところ、
これまた適正があったと言うべきか
何本も出演依頼が来たそうだ。

「どうだい夏美、お前もAVの方に来ないか？
何なら二人まとめて面倒見てやるぜ」
イヤよ、と夏美が答える前に
「ダメよ」と紗友里が答えた。
えっ？どういうこと？
「夏美さんが加わったら
夜の特訓を二人で分けあうことになるんでしょ？
私、そんなの耐えられないわ
樹さんは私だけのモノなんだからね」
そう言いながら紗友里は夏美を睨んだ。

そう言うことなのね
二人はデキちゃったわけね。
淫乱な紗友里だから
樹さん以外の男ともセックスできて
一石二鳥って事なのね。
「心配無用よ
私、決してそちらの仕事はしませんから」
そのように啖呵を切って
私にはまだ八木さんがいるんだから
仕事を回してもらうわと言ってやった。