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Kiss Again and Again
第8章 それから

「いつも 僕ばっかり・・・」
「えっ・・・?」
「いつも 僕ばっかりが夢中で」
「えっ・・・?」
何を言っているの、この人は?
「あゆは・・・ あゆは・・・ 逢えなくても平気なんだ・・・」
本気で そんなこと言っているの? 顔を覗きこむと 切なげに眉が寄っている。
「まさか そんなこと。 とっても逢いたかった。 でもね 今は 暑いから」
「だって なかなか帰ってこないし」
玄関のドアの前でするような睦言ではないのだけど。
「お父さんやおかあさんの手前 そんなにすぐには帰れなかったの。 ごめんなさい」
海は もう一度 長いキスをしてくれた。 懐かしい恋を慈しむようなキスだった。
「もう 座り込みそう・・・ 涼しいところに連れて行って」
「ほら あゆは 冷たい」 今は 笑っている。

