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いろはにほへと~色は匂えど~
第4章 月謝は体で
年増女が身だしなみを整え、
お堂を後にしてしばらくすると
お吉がやって来た。
「なんやえらいお香の匂いがするなあ」
年増女の残り香を誤魔化すために
慌ててお香を焚いたのだ。
でも、そのおかげで
策ノ進が年増女と交ぐわったとは
露ほどにも思っていないようだった。
「なあ、今宵もまたおめこするやろ?」
「いや…少々風邪気味ゆえに今宵はやめておこう」
年増女のあとに
若いお吉を抱くのも一興かと思ったが
へのこにおま〇この残り香があるに違い。
バレては元も子もない。
女を怒らせると厄介だと言うことを
策ノ進は重々承知していた。
「うち、策ノ進さまに女にしてもろてから
毎晩でもええぐらい
おめこがしとうて仕方ないんよ…」
そう言いながら
着物の上から胸を揉み股間をモジモジさせた。
「明日の晩には抱いてやる。
なので今宵はおとなしゅう帰れ」
「ほんま?約束やで!」
お吉は嬉しそうにそう言うと
夕餉の支度を済ますと
イソイソと母屋へ帰っていった。

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