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蒼い春
第5章 保健室の引きこもり生徒
二人はしばらく見つめ合って固まっていた。
先に声をあげたのは赤羽くんだった。
「な、なんだよ!いきなり!!」
顔を真っ赤にしていた。
怒りからなのか恥ずかしさからなのかは
推測できなかった。
「ご、ごめんなさい。
でも苦しそうな呼吸だったし…」
マスターベーションを目撃したことは伏せた。
あなた、オナニーしてたでしょ。
なんて言ったら
思春期の心が傷つくと思ったからだ。
「なんでもねえよ!
もうちょっとで逝くとこだったのによぉ~」
見られた事を自覚していた彼は開き直って
毛布を捲りあげて怒張を奈央に見せつけた。
赤黒くつやつやとした亀頭から
タラタラと透明な雫がこぼれた。
「なに見てんだよ!
俺のチンポが見事すぎて
堪らなくなっちまったか?」
ここで負けたらいけないわ。
奈央は毅然した態度で指導の言葉を発した。
「ここは、そういう淫らなことをする
そんな場所じゃないの。
オナニーをするのなら
家に帰ってからゆっくりとやりなさい」
「家でもやってるさ!
でも、したくて、したくて堪らないんだ!!」
若いエネルギーってすごいのね。
はっ!いけない、いけない。
変なことに感心してる場合じゃないわ。
「と、とにかく学校では慎みなさい。
ここは体の具合の悪い人が休む場所なんです」
「だから具合が悪いんじゃないか!
したくてしたくて堪らない病さ!
あんた保健室の先生なら応急処置してくれよ」
お、応急処置?
そ、そんなことをいったって…
わかったわ。
やってやろうじゃないの!

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