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蒼い春
第4章 同僚の沢口先生
なんだよ一体…
沢口が小声でブツブツ言いながら
腕を伸ばして受話器を取った。
「はい…」
『お客様、当ホテルは夜11時を過ぎますと、
宿泊料金を追加させていただきますが、
ご宿泊でよろしいでしょうか?』
枕もとのデジタル時計に目をやると
時刻は10時45分だった。
「やば!!!」
そう叫ぶと、受話器に向かって
「えっと、チェックアウトします」
そう言って受話器を元に戻した。
「奈央ちゃん、帰らなきゃ。
思ってたより時間が経過していたみたいだ。
月島先生は食事だけと思っているだろうから
あまり遅くなると心配させてしまうよ」
そのとおりだわ。
まさか2人が
愛し合う関係になってしまってるなんて
思ってもいないはずだわ。
慌てて身支度を整え、
ホテルを飛び出し
大通りでタクシーを捕まえると
帰宅の途についた。

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