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蒼い月光~くの一物語~
第12章 朱里の誠の敵討ち
「あなたは、私が一人でつぶやいているのが
不思議で仕方ないでしょうね」
「いえ・・・そのようなことは・・・・」
まるで誰かと
対話しているように喋っているのだから、
気のふれた女だと思っているだろう。
「すべては後日に話します。
今は見聞きしたことを誰にも言わないでおくれ」
「御意…」
「ところで、お前は
鎖帷子(くさりかたびら)を用意できますか?」
「・・・・それは私たちが身につけている
鎖帷子のことでございましょうか?」
どうしてそんなものがいるのかと
怪訝に思っているのだろう
声に微かな動揺が感じられた。
「そうです・・・すべては先ほど申したように
後日にすべてを話します故、
用意してくれませんか・・・」
「・・・・わかりました。
昼餉(ひるげ(昼食))までに用意して
鬼食い番(毒見係)の兵吉に渡しておきましょう」
「無理を言ってすいませぬ・・・
どうかよろしくお願いします」
山賊を討ちにいくまでに
武器と防具を揃えておく必要があった。

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