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第6章 高校の教室で

今日、僕たちが高校に来た第一の目的は、大学合格の報告を井上先生にするためだ。

もちろん、合格したことはすでに電話で高校に伝えてあり、高校を訪れて先生と話す義務はない。

でも、合格発表があったのは卒業式の後だから、お世話になった井上先生にお礼を言えておらず…
井上先生の嬉しそうな顔を見ると、ちゃんと挨拶に来て良かったって思う。

しばらく雑談を続けた後、亮が尋ねる。
「僕たちが使っていた教室を見たいんですけど、いいですか？」

「春休みだから、鍵が掛かってるわ。　でも、ちょっとだけなら、いいわ。　２０分ほどね」
そう言って井上先生は教室の鍵を貸してくれた。

予期した通りの展開だ。
第二の目的が果たせそうだ。