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第11章 岩田の恋バナ

　久しぶりに　岩田と　愛美の話なんかしたものだから。
　どうしているだろう。
　元気だろうか。

　岩田の中の愛美でもなく
　『文学のこみち』で本を読む愛美でもなく

　横浜で　結婚式をともに見た　あのときの愛美に　逢いたい。


　岩田は　すごいよな。
　「愛美ちゃん　命」を何年もやりながら　何も求めない。
　卒業式に　愛美と写真を一緒に撮ったこと以外に　何も求めず　ひたすら恋慕うことができる。

　おれ　３日間　愛美と過ごしたのに　もっと　もっと　ほしいものがある。


　逢いたい。
　名前を呼ばれたい。
　抱きしめたい。
　身体にふれたい。
　キスしたい。

　もう一度　もう一度
　とろけるようなキスをしたい。

　そうしたら　今度は　ちゃんと言える。

　好きだ、と。