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Memory of Night 2
第11章 懐かしい記憶

毛布を膝にかけながら、宵はつい声を張った。
そこでふと晃の顔に視線をそそぎ、さっき思ったことを口にしてみる。
「……笑った時の目元とか、母親によく似てんのな」
「そう?」
「うん、そっくり」
利発そうな雰囲気や、切れ長の目元はとてもよく似ていると思う。
けれど晃は意外そうな表情をした。
「どちらかと言えば、親戚とかには父親似って言われることの方が多いから、新鮮かも」
先ほどはぴったり宵の隣に腰を下ろしていたけれど、今度はテーブルの右側に座り直して、アイスティーを飲みながらそんなふうに言う。
「おまえの親父さん一回も見たことない」
「忙しい人だからなあ。俺も最後に会ったのいつだろ。ーー宵は母親似? って言ってたよな、前に」
「うん、顔はホントにそっくりかも。目の色とか食の好みも、確か甘いのあんま好きじゃなかった気がする、母さんも」
「そんなところまで似てるってすごいね」
「逆に父親に似てる要素がなさすぎて、たまにからかわれてたよ。違う男との子かもって」
「……なんてたちの悪い冗談を」
晃は呆れたように一瞬目を細めるも、笑った。
「でもそんな美人な君のお母さんを落としたお父さんはすごいね」
「……どこに惹かれたんだろな」

