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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第61章 これから①

もしそれが叶わなければ、半身を失ったような苦しみを抱きながら、これから先、神々の地で生き続けなければならない。
(……お願い)
心の中で祈りながら、ソルの言葉を待った。身体が緊張し、再びソルの胸に顔を押し付け、ぎゅっと服を握った。
少しの間――フィーネにとってはとても長く感じた時間の、のち。
「……私がともに行けば、これからもお前といられるのだな? なら問題ない」
静かな声に、フィーネはハッと顔を上げた。
目の前には、嬉しそうに口元を緩ませるソルの顔があった。先ほどの、絶望に近い暗い表情は、カケラも見当たらない。
生まれたこの世界を離れるのだ。もう少し悩むかと思っていたので、早い決断に呆気にとられてしまった。
そんなフィーネの髪を撫でながら、ソルが笑う。
(……お願い)
心の中で祈りながら、ソルの言葉を待った。身体が緊張し、再びソルの胸に顔を押し付け、ぎゅっと服を握った。
少しの間――フィーネにとってはとても長く感じた時間の、のち。
「……私がともに行けば、これからもお前といられるのだな? なら問題ない」
静かな声に、フィーネはハッと顔を上げた。
目の前には、嬉しそうに口元を緩ませるソルの顔があった。先ほどの、絶望に近い暗い表情は、カケラも見当たらない。
生まれたこの世界を離れるのだ。もう少し悩むかと思っていたので、早い決断に呆気にとられてしまった。
そんなフィーネの髪を撫でながら、ソルが笑う。

