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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第35章 名前①

「フィーネ。もしお前が嫌でなければ……名を呼んでくれないか?」
「魔王様のお名前……でしょうか?」
彼の言葉に、今更になって名を尋ねていなかったことに気づいた。
ディザニアに攫われる直前、名を知りたいと思った。
だがその後は、彼に忠誠を示すために『魔王』と呼んでおり、不便もなかったため、その疑問も忘れら去られてしまったのだ。
名を呼ばなくても、普通は身を捧げる主の名を知っておくものだ。
大変失礼なことをしたと思い、アンジェラに聞いておくべきだったと、フィーネは密かに後悔した。
しかし魔王は、自分の名を知らないフィーネに不快感を抱いた様子もなく頷いた。
「私の名は、ソル。今後、そう呼んで欲しい」
「……ソル……様?」
「敬称は必要ない……と言っても、お前には難しいかもしれないな。未だに、アンジェラを呼び捨てに出来ないのだからな」
魔王はくくっと笑うと、フィーネの頭を撫でた。
「魔王様のお名前……でしょうか?」
彼の言葉に、今更になって名を尋ねていなかったことに気づいた。
ディザニアに攫われる直前、名を知りたいと思った。
だがその後は、彼に忠誠を示すために『魔王』と呼んでおり、不便もなかったため、その疑問も忘れら去られてしまったのだ。
名を呼ばなくても、普通は身を捧げる主の名を知っておくものだ。
大変失礼なことをしたと思い、アンジェラに聞いておくべきだったと、フィーネは密かに後悔した。
しかし魔王は、自分の名を知らないフィーネに不快感を抱いた様子もなく頷いた。
「私の名は、ソル。今後、そう呼んで欲しい」
「……ソル……様?」
「敬称は必要ない……と言っても、お前には難しいかもしれないな。未だに、アンジェラを呼び捨てに出来ないのだからな」
魔王はくくっと笑うと、フィーネの頭を撫でた。

