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† 姫と剣 †
第3章 決闘


勢いよくぶつかりそうになって、マヤはちょっと!とリューイにキツく声を掛ける。



だが、血相を変えて走るリューイに、マヤは眉をひそめた。




「リューイ……? 何かあったのっ…?」


「ルシア姫が攫われたっ……!」


「え……? ちょっ…攫われたって」


「俺は今すぐ追い掛ける。お前は他の兵に知らせてくれ!」


「リューイっ…!ちょっと待って」


「急げ!」



そのまま勢いよく走り去っていくリューイに気圧される。


そして『攫われた』という言葉を次第に飲み込んだマヤは、そのままリューイの言われた通り他に知らせるために宮殿内を駆けた。



一方のリューイは、外に出て、近くに繋がれている馬に乗ると、そのまま先程の方向へと疾走していた。




「どうかっ……どうかご無事で……っ」




そう呟きながら、リューイは風を切る。


元々、ロイは何か企んでいる、そんな雰囲気を感じ取っていたのだが、見破り切れなかったことに後悔が残る。


だが、今はそんな後悔をしている暇もない。


とにかく、ルシアを救出するため、リューイは無我夢中で暗闇の中、馬を走らせていた。




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