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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第17章 王と女官
「私が知るのは、ここまでだ。恐らくは淑媛さまは大王大妃との何らかの確執があったのだろう。淑媛さまは穏やかで優しい方ではあったが、凜とした一面もあった。大王大妃の取り巻きのように、自らをねじ曲げてまで大王大妃の機嫌を取るような器用さは持っていない。その辺りが大王大妃の逆鱗に触れたか。もしくは、息子が母親より寵姫の言葉に耳を傾けるようになり、淑媛さまが邪魔になったのかしれない。或いは」
ヨンが明華を静謐な瞳で見つめた。