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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第11章 悲歌
 ソファは文机の引き出しを開き、薄紅色のチュモニを載せる。逆さにすると、翠玉の耳飾りが手のひらに落ちた。そっと壊れ物を扱うかのように机上に載せる。まるで愛しいあの男に触れるかのように、指先で光り輝く雫型の石を撫でた。一つ一つ、取り上げて耳たぶにつけてみる。
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