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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第11章 悲歌
 ソファを見つめる彼のまなざしに幾ばくかの情を見たのは都合の良い勘違いだろうか。



 ヒョルが踵を返し、牢を出ていった。



 牢の扉が閉まり、牢番がどこからともなく現れ、また元通り鍵を掛ける音が響く。



 廊下を曲がって見えなくなる直前、ヒョルが一度だけ背後を振り返るのが遠目に見えた。
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