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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第10章 花明~はなあかり~
 声は頭上から降ってくるようだ。ソファが弾かれるように面を上げた刹那、ひと筋の光がやはり闇色に覆われた天から差し込んだ。



ーソファ、ソファ。




 自分を呼ぶ優しい声に導かれ、ソファの身体は次第に軽やかさを取り戻した。やがて、身体ごと浮上する感覚があり、心がどんどん解放されてゆくのが自分でも判った。
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