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月の姫~夢占(ゆめうら)の花嫁~
第10章 花明~はなあかり~
 ふいに右手をギュッと握られ、我に返ると、燕海君の澄んだ眼が無心に見上げている。今、真上にひろがる夏の雨上がりのような、涼しげな眼をしている。きっと、この幼い王子が王となれば、聖君と後の歴史に名を刻むに違いない。
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