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不埒に淫らで背徳な恋
第1章 【心の歪み、気付いてる?】
その日の夜、普通の顔してセックスを求めてきた。
何を考えているの…?
どんな思考回路してるのよ。
それでもしたい、とか私にとっては有り得ない。
当然、拒否した。
「ちゃんとゴム着けるから…!これ以上気持ち離れてほしくないんだよ…!」
「だからってセックスすれば離れないとでも思ってるの?」
お願い……トドメを刺さないで。
本気で嫌いにさせないで。
わかってよ……私から言わせないで。
自分勝手だよ……
私の気持ちはどこにあるの……?
「ごめん……瑠香の気持ちが離れてる気がして焦った」
「私こそごめん……今日はしたくない」
「わかった」
背中を向けて寝たのに背後から抱きついてくる。
何もしないから…とお願いされた。
前までは触れられて嬉しかった手の温もり。
引き締まった腕もゴツゴツしていて男らしくて好きだった。
髪にかかる吐息も一人じゃないんだって安心出来ていたのに。
セックスせずに済んでホッとしてる。
初めて拒否した。
触れ合うことに嫌悪感を抱いた。
大切な人の腕の中で満たされない夜を初めて過ごした。

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