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第40章 好きな人は誰？

広美は我慢出来ずに、健治に伝えた。

「えーと、健治さん、あのね、私はシチュー作ってる最中だから、電話切ってもいいですか？」

健治さんは少し驚いた。

付き合いはじめてから、二人の電話は広美が一方的に健治に楽しそうに話すのが定番になっていた。
そして健治がもう勘弁してくれというぐらい広美は電話を切らずに話を続けていた。

その広美が自ら電話を切りたいと言ってきたのだ。
健治は料理中だからなのかなと自分に言い聞かせ、仕方なく電話を切る事にした。

「あー、料理中に悪かったな」
「明日の夜には帰るからさ、また連絡するよ」
「とりあえず今日はバイバイな」

広美は健治の事をウザったく感じた事に何も思わなかった。
今はただ、太田が部屋にくるための準備がしたくて、料理を再開した。