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恋 と 愛 と 思い出 と
第1章 1st 美月と朝陽
5年ぶりなのに、心地良すぎて。
気持ちがあの頃に戻ってしまう。
ーーーーーガチャ。
「ど、どうぞ…。」
朝陽と別れた後に引っ越した家。
朝陽のいなくなった日々を過ごした家に、朝陽がいる。
なんて、いけないことをしているだろう。
「コーヒーでいい?淹れるから適当に待ってて?」
「ああ、ありがとう。」
必要最低限の言葉しか交わさない、静かな時間。
朝陽とは言葉がなくても平気だった。
ーー悟とは、違って。
気遣い屋な悟は、話題を振るのも自分の話をするのも上手。
程よくテンポよく、時間を進めてくれる。
「…っあ。」
悟の写真と式場のパンフレットが出しっぱなしになっていることを思い出してリビングに急ぐ。…も。
パンフレットを手に立ち尽くす、朝陽。
「…結婚、するの?」
「いや、えっと…プロポーズはまだなんだけど…見学だけ、彼が…」
「…そっか…」
ああ、また空気が変わった。
わたしが悪いことをしているわけじゃないのに、
まるで、わたしが
イケナイことをしているような。

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