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恍惚なる治療[改訂版]
第12章 熱に浮かされて

「それは急ぎですか?」
「いえ、ほとんど書き終えて、後は修正するだけです」

仕事の邪魔にならないと判断し、佐伯さんに抱き着いた。

「キス…しても良いですか?」
「えっ…」

返事をする前に佐伯さんの顔をこちらに向かせて、唇を奪った。
軽く吸い付いて、舌で唇を舐めて、開けるよう促し、薄く開いた口に舌を滑り込ませる。

舌の裏側から舐め上げると、控えめに舌先を絡めて軽く吸ってきた。

佐伯さんの唇は柔らかくて、口内も熱い…ずっと吸っていたくなるくらい…
最近、佐伯さんはキスの仕方が上手くなった…
僕が沢山してるお陰かな…?

「はぁ…」

唾液を引きながら唇を離すと、佐伯さんの蕩けた表情が目に映る。
普段の端正な顔からは想像も出来ない、甘くて可愛い顔…
そうさせているのは僕…

佐伯さんとのキスで欲情が一気に高まり、ソファから降りると、佐伯さんの脚の間に侵入した。
股間を撫でると、少しずつ欲望を形成していく。

「ちょっと…」

佐伯さんは未だにパソコンに文字を打ち込んでいる。
今の状況でも仕事を続けようとする姿が堪らなく良くて、ベルトを突いて脱ぐよう促す。

「仕事を続けて…僕が勝手にするだけなんで…」
「……」

拒否する事も無く、佐伯さんはベルトを外し、下着ごとズボンを下ろした。
やっぱり佐伯さんは優しい…




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