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恍惚なる治療[改訂版]
第8章 沼に溺れる

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木曜日、いつものように三雲さんに家に来てもらい、晩飯の下準備をしてもらう。
「アレ?○が付いてる…日曜日なのに仕事が入ってるんですか?」
普段カレンダーに印を入れる日は専ら編集部に行ったり、仕事が入ってたりするので、日曜日に印が入ってるのを仕事だと思ったのだろう。
「ん?それは仕事じゃ無いよ。プライベートな用事」
「……あっ、そうなんですね…」
「……?」
1人納得した三雲さんの表情はどことなく悲しそうに見えた。
「…それって、彼女さんとデートですか?」
「えっ!?いやいや、彼女なんて居ないよ、友達と出掛けるんだよ。三雲さんが思ってるような色っぽい用事じゃありませんよ」
解釈すると急に三雲さんの表情は晴れやかになった。
三雲さんのコロコロ変わる表情に疑問を持ちながら、デートというワードが頭に引っ掛かった。
デートね…
向こうはデートの気分なのだろうが、こっちは治療の心持ちで出掛けないと、いつ食われるか分かったもんじゃない…

