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二人の彼に囚われて【目覚め】~偽りの花嫁は真実の恋を知る~
第2章 幻の蒼い薔薇

この日のために、スングムが都でも有名な絹店に出向き清国渡りの絹で特別に仕立てさせた逸品である。
ミナの乗った輿は門前で止まった。スングムが輿の扉を開け、彼女は静々と降り立つ。いかにお転婆といえども、しとやかにふるまうべき場所柄くらいはわきまえている。何より、母とも慕い信頼する心優しい乳母を困らせたくはない。ミナの今日の一挙手一投足はすべてスングムから父に報告される。ミナが場にふさわしくない態度を取れば、叱責されるのは乳母なのだ。
ミナの乗った輿は門前で止まった。スングムが輿の扉を開け、彼女は静々と降り立つ。いかにお転婆といえども、しとやかにふるまうべき場所柄くらいはわきまえている。何より、母とも慕い信頼する心優しい乳母を困らせたくはない。ミナの今日の一挙手一投足はすべてスングムから父に報告される。ミナが場にふさわしくない態度を取れば、叱責されるのは乳母なのだ。

