この作品は18歳未満閲覧禁止です
小夜
第8章 さようなら
お兄さま
ただの夢だと笑いますか
でもこれがきっと
小夜とお兄さまの血に流れる
呪い
そのもの
この家を富ませ
繁栄させるための
古い古い呪術
血を分けた妹を生贄に
この家の長たる兄が
家に降りかかるあらゆる厄と災いを
妹にかぶせて富へと転ずる
凶まがしいまつりごと
お兄さまは知らなくても
お兄さまの血は知っている筈
だからお兄さまは
子供の小夜を
花嫁に
生贄に
貫くための奴隷に
望んだ
そして小夜は血のさだめのままに
お兄さまに貫かれた……