この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
アンケートから生まれた Love story
第5章 スコール
── ちゃんと指示してくれる人がいるから、目指す道は迷わない ──
初めて会ったときにそう話したことを、覚えていたのね。
……今まで教え通りに生きてきたのだから
これからも言われた通りの道を歩いていくべきだと思ってる。
私の人生、きっと正しい。
はずだよね?
「……呼びつけたくせに、黙るの好きだな」
グラスの氷をカランと鳴らして、彼の尋問形式が続く。
「あんたさー、何かやばい宗教か占いにハマッてたりしねぇ?」
「いえ、それはありません」
「その教祖みてぇなやつとの間に、金銭の遣り取りは?」
「な、無いです」
「教祖が誰か聞いたところで、俺には何の関係もねぇだろ。
それでも正体は言えねぇんだな?」
「……ごめんなさい」
「……あっそ」
あぁ、終わった。
問題解決以前の段階で、ジ・エンドという流れを覚悟したのだけど
「話どんどん逸れていくけど
質問の角度を変えるわ」
少し考える仕草を見せたけど、ケロッとした声で
足を組み替えた彼がそう言った。
「しえりさん、恋愛は?」
「……えっ?」
「俺の推測からすると、結婚に囚われすぎて
本来1番楽しいはずの恋愛をすっ飛ばしてんじゃねぇ?」
「……!」
「無責任なこと言うつもりないけど。
あんたの場合、年齢がどうとかって焦らなくてもいいと思うよ」

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


