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アンケートから生まれた Love story
第3章 問答無用で引き受けろ
「今、蓮さんと瀬名さんと話したこの時間。
たったそれだけで……なんつーか……」
本社の最高峰、花形部署に配属されて
激務となる俺に向けられたのは、哀れみの目の方が多かった。
だけど、今のグループの仲間に加わった時
総合職内定の同期の中で、俺が1番強運の持ち主だったとすぐに悟ったんだ。
これ程の臨場感と達成感を経験できる場所は無い。
尊敬と憧れを、間近の人間から得られることも。
……だから
「……迷ってる、ってことなんだと思います。
こんなに良い環境も境遇も、自分から手放すなんて普通じゃありえない」
また普通って使ったな。
そう考えると便利な言葉だ。
特に意味を持たせず常用できる。
……本当は
あの女の言う通り、俺は普通なんかじゃねぇのに。
「すみません、中途半端で。
辞めるなら決めてから言えよって感じですよね…」
「決めてから言われたら困るよ」
「……!」
「タカが抱えている顧客、今のチームじゃさばききれない。
瀬名のところも同じ。
みんなギリギリだって分かるだろ?」

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