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アンケートから生まれた Love story
第14章 いつまでも、幸せに
小さく微笑んだ秋の顔を見たら、胸がいっぱいになった。
……抑え込んでいるであろう感情が、伝わってくる。
秋の口から直接聞けていないけど
本当はきっと、心の底からそう思っているよね……
「しえりさん。
見たいって言ってた海……浜辺は後にしよう」
立ち上がった秋が、そこまで言って息を吐いた。
「その前に……」
ここに来るまでに私も、当然秋も
地図を見て場所は把握している。
「お母さんの働く職場……幼稚園ね」
……20代の前半で秋を生んだお母さんは
この街に移り住んだ後、保母さんをしていて
今は小さな幼稚園の運営責任者で、園長になっていると教えてくれた。
「大丈夫。
今日は土曜日だから休園日よ」
「……」
「外から見てみよう、ね」
私も椅子から立ち上がって、秋に近付いて手を伸ばした。
……普段のお母さんが務める姿は、見れないけど
職場の雰囲気だけでも目に焼き付けて
秋が会いたいと言ってくれた日に、また来ればいい。
「……ありがとう」
重ねた手を、秋がぎゅっと握ってくれた。

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