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アンケートから生まれた Love story
第13章 逢いたい
両足の膝を立てて、ベッドに寄りかかった秋の左手に
右手をそっと添えると……秋も握り返してくれた。
「……今、この角度だと
しえりさんの顔が見えていない」
指を絡めた手に視線を落としたまま、秋が小さく呟いた。
「左目の視力、ほとんど無いんだ」
「……!」
「9歳の頃、間接的に潰されてからずっとそうだから
慣れてるし、日常生活に支障はないけど」
静かに話す秋だけど……ドクンと心臓が跳ねた。
……視力が無い?
それって……
「他人にバレねぇ部分を痛めつけるのが、DVの基本だからな」
「……っ」
「どーやってこうなったかは、思い出したくもない。
母親が家を出ていく引き金になったから」
秋が、私に顔を向けた。
……視線はどちらも同じで、なんの違和感も感じなくて
「……っ」
周りが気付かない分
どれだけの痛みを、この瞳の奥に閉じ込めているのだろう。
そう思うと胸がぎゅっと苦しくなった。

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