この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
アンケートから生まれた Love story
第9章 花火
大きな交差点の手前に差し掛かったところで
街灯の下で足を止めて、タカくんがスマホを取り出した。
「今日会えるのは予想外だから、あとで電話しようと思ってたんだけど。
しえりさん、今週の土日空いてる?」
「土日?」
「もう明後日だけど」
唐突でごめんねって言って、街灯を囲むガードレールに腰を付けたタカくん。
明後日の土日……それはもちろん
「両方ガラ空きです」
「それは良かった。花火見に行かない?」
「……!!」
花火……!?
「花火ってあの火薬で破裂させて夜空に打ちあがる
光の輪が花を咲かせているような幻想的な美しさの!?」
「……うん、それ」
「一瞬で消えてしまうけど、その華やかな色や音が切なくて
人々の心を和ませてうっとりさせる、花火……」
そうよ、もうそんな季節。
小さいころ、毎年祖母の家に帰省する時
決まって見上げていた色とりどりの夜空が浮かんでくる。
東京に来てからも、何回か見たけど
……花火を、タカくんと一緒に……っ

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


