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異邦人の庭 〜secret garden〜
第11章 ミスオブ沙棗の涙 〜甘く苦い恋の記憶〜
階下の客間からは珍しく在宅中の父親と会社の部下たちの賑やかな笑い声が聞こえてくる。
亮介は、正月の三日は必ず自分の部下たちを自宅に招き、新年会を開くのを常としていた。
…部下たちを労うためと…自慢の娘を見せたいためだ。
さっきから再三、貌を出すように言われているのだが、そんな気にはなれずに紫織は部屋に閉じこもっていた。
母は朝から姿が見えない。
恐らく、華道の新年の集まりかなにかに出かけたのだろう。
亮介が在宅しているときは、極力貌を合わせないようにしている蒔子だからだ。
…先生…どうしたんだろう…。
半日以上連絡が取れなかったことなど初めてだ。
きっと何かあったに違いない。
夕方まで携帯を開いたり閉じたりしていたが、とうとう紫織は居ても立っても居られずに立ち上がった。
そうして簡単に身支度を整えると、ミスオブ沙棗だけをうなじに付け、そっと部屋を出た。
亮介は、正月の三日は必ず自分の部下たちを自宅に招き、新年会を開くのを常としていた。
…部下たちを労うためと…自慢の娘を見せたいためだ。
さっきから再三、貌を出すように言われているのだが、そんな気にはなれずに紫織は部屋に閉じこもっていた。
母は朝から姿が見えない。
恐らく、華道の新年の集まりかなにかに出かけたのだろう。
亮介が在宅しているときは、極力貌を合わせないようにしている蒔子だからだ。
…先生…どうしたんだろう…。
半日以上連絡が取れなかったことなど初めてだ。
きっと何かあったに違いない。
夕方まで携帯を開いたり閉じたりしていたが、とうとう紫織は居ても立っても居られずに立ち上がった。
そうして簡単に身支度を整えると、ミスオブ沙棗だけをうなじに付け、そっと部屋を出た。

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