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蕾は開き咲きほこる
第13章 友人

「すげ~、ブリにサザエにイカだ。この白身は何?」
「それは、カワハギですね」
「この時期だもんな。肝もついてて美味そう!光春くんは日本酒飲めるクチだったよな。汐里ちゃんは?」
「私は、あまり飲んだことなくて」
「そうなんだ。でも、光春くんが一緒だから酔っぱらっても問題ないでしょう。桜子、最初から日本酒でいいよな」
「そうね。ビールより日本酒がいいかもね。すぐ、お酒の準備をするから待ってて」
鉢盛をテーブルに置いた桜子さんは冷蔵庫の中から日本酒とお猪口を出してテーブルの上に並べた。
そのテーブルの上には3段のお重箱と鶴の箸置きと祝い箸が並べられていた。
そこに、出来上がったばかりの茶わん蒸しが置かれ、完璧なお正月のおせち料理が並んだ。
「とりあえず乾杯しましょう」
封を切ったばかりの日本酒を小さなお猪口に注ぐと、テーブルを囲っての宴会が始まった。
三段重ねのお重にはお手本のようなお節の品々が並び、どれもおいしい。

