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第13章 再会

「…お元気そうですね」

やっとの思いでそれだけ呟くと後は言葉にならなかった。

「君はどうしていたの？結婚して子どももいるとゼミの卒業生からは聞いてたけれど…」

「知ってらしたんですか？」

「君はもてていたからね。噂する野郎達はたくさんいて…正直辛かったな」

微笑みながら、でも目に少しの哀しみを浮かべながら冗談まじりに話す村瀬から碧は目が離せなかった。

「…」

「…抜け出さないか？」

「…え?」

「そんな怯えた顔をしないで。大丈夫だよ。ただ君と１０年分の話をしたいだけだ。」

屈託のない村瀬の笑顔にホッとして、碧は警戒心をほどいた。

そして同窓会のざわめきが最高潮になる頃を見計らい、二人は夜道へと抜け出した。