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戦場に響く鈴の音
第25章 家族



「一緒に来い。」


絖花を連れて屋敷へ上がる。

真っ直ぐに俺の部屋へ戻れば、多栄と鈴が忙しなく動いてる。


「義父に挨拶は済ませたのか?」


鈴に問えば


「今日のお茶は美味しいと言って貰えた。」


と嬉しそうに答える。

だが、一瞬で鈴の表情が強張り、絖花を見るなり俺の後ろへと隠れてしまう。


「悪いな。うちの仔猫は人嫌いなのだ。」


絖花にそう説明すれば


「なるほど、主様が穏やかになられたのは、この可愛らしい姫様のお陰なのね。」


と絖花が鈴に笑顔を向ける。


「誰じゃ?」


鈴が不満そうに聞く。

俺が親しくする女は全てが気に入らないらしい。


「茂吉が紹介してくれた鈴の琴の師匠だ。」

「琴の?」

「絖花は柊の花街一の花魁だ。琴も10年ほどやってる。」

「10年…。」

「茂吉の女房らしいぞ。」

「茂吉の?」

「挨拶をしてやれ…。」


そう言って鈴を絖花の前に差し出しても鈴は俯いたまま、身一つ動かそうとはしない。


「姫様…。」


何やら絖花が鈴に耳打ちする。


「本当か?」


鈴が目を輝かせて確認する。


「ええ、姫様のお気が済むまで…。」

「なら、よろしく頼むぞ。」

「こちらこそ、よろしくお願い致します。」


何故か鈴が納得して、早くも絖花に懐き出す。


「絖花…、鈴に何を言った?」


そこは気になると確認をすれば


「女子の秘密を暴こうとするなど野暮ですわ。主様…。」


と絖花が高笑いをしやがる。


「そうだぞ。神路…、それよりも多栄に剣術の稽古を付けてやる約束だったろ?鈴は絖花と琴の練習をするから道場に行け。」


と帰ったばかりの部屋から追い出される。


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