この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
有翼神は翼無き女性を愛する~異世界の溺愛恋模様
第5章 俺様登場悪魔ティア

私が知ること知らないこと、根本は同一の世界観。
人間が居て神様が居る、でも人間からは神様はほとんど見えない、これは一緒だよね。……神様を見たなんて聞いたことは無いけれど。
そしてこの『有翼の雲海』に、かなりの神様が集まっているらしいの。この他にギリシャ神話で言うオリュンポス、北欧神話のヴァルハラのように、別次元で更に細分化されてる……というのが神様の世界ね。
区分はあるけれど、私や下界の人間が思っているほど仲が悪くなく、こうして同じ天界で過ごすのが当たり前、までは覚えた。
「便利だけど、無理矢理頭の中に詰め込んでる感じ。学生時代にこんなのがあれば、オール満点コースじゃないのよ」
カンニング……とは違うと思うけれど、そんな気分にさせられてしまいそう。
……そんな、たわいもないことを考えていたら。
「よぉ……。随分と優遇されてるじゃねぇか」
「……ティア!?」
噂をすれば、翼を出したままの赤髪ティアが柱の側に立って私を睨んでいる。なんで? この間、ルーキフェルから引き下がったじゃない。
「……なんの……用?」
「決まってるだろ、貴様を嫁にするためだ。この日は確実にルーキフェルは居らん、俺様には絶好の機会だと思わねぇか?」
「私は嫌と言ったはずよ」
「女の意思など関係ねぇ、要は処女をぶち抜いたヤツのモノになるのが女神だろうが!」
相変わらず自分勝手で理不尽な言い分! だから嫌いと言っているのに、どうして分からないのよ。

