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昼想夜夢~君、想ふ~
第4章 君に触れる
月曜日。
「小川さん!!土曜日はすいませんでした!!」
朝早く、俺は会社に到着してすぐに北条に頼まれていた資料を渡し返した。
中身は部長に提出する資料が入っていて俺の判子が必要な資料だった。
よくまぁこんな大事な資料を渡し損ねたものだな。
俺から資料を受け取った北条は、俺に必死で頭を下げていた。
「ったく、これからは気を付けろよ」
「はいっ!」
まるで何事もなかったかのようないつもの光景。
北条のドジに振り回されるのはいつもの事だ。
「あと土曜日の事なんですけど…」
「ん?」
「実は、土壇場で二日酔いの頭痛と吐き気に襲われまして…」
―――――…。
あぁ、それで彩花が俺のマンションまで届けてくれたのか…。
北条も祝賀会の場でだいぶ飲んでたもんな。
大事な資料を彩花に届けさせた事を謝っているのだろう。
「いきなり彩花ちゃんが俺のマンションに来て驚いたよ」
「やむを得なかったとは言え、本当にすいませんっ!!」
「俺は構わねぇけど、彩花ちゃんは大丈夫だったのか?」
「はいっ!特に何も言われてませんから」
この様子だと、彩花は北条に何も言ってないみたいだな。
ま、それもそうか。
こちらにはあの写メがあるんだし、そう簡単に北条に告げ口なんか出来ねぇか。
「ならいいんだが…」
北条の様子もいつもと変わらない。
俺も、北条の前では彩花を呼び捨てにしたりしない。
北条の彼女という立場を弁えて喋っている。

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