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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第5章 もう一人の社長息子
「俺から見れば、夏目さんも彼氏が出来そうだけど?」
「私は朝陽みないな迫力美人にはなれません」
「見た目だけの女性は、俺は嫌いだな。夏目さんみたいに意思がはっきりしている女性がいい」
「煽てても、なにも出ませんよ三科さん?」
「そう?」
意外に絡む三科さんに、少しだけムッとして、お酒ばかりが進んでゆく。
そこまでお酒には弱くないつもり。だから少々飲み過ぎても大丈夫。
味を変えた酎ハイが、一杯、二杯、三杯、更に追い打ちのように、スパークリングな日本酒も。
そうでもしないとね、この場を乗り切る自信が無いのよ。
「ペース早いけど大丈夫?」
「これくらい平気です」
だけどアルコールの多量摂取は……。
『少々失礼』と、御手洗いに行く羽目になるのは、酒飲みだったら当たり前の話よね?
私も例に漏れず御手洗いへ。
(ここのほうが安心するなんて言ったら、私どうなるんだろう)
鏡の前に立てば、酔った顔の私の姿が写っている。
流石に飲み過ぎたかな私?
でも、20歳でここまで飲めるって凄くない!
そりゃ成人数年前から飲んでいたけれど、強くなったのは最近、朝陽に連れ回されるようになってから。
「……そうじゃなくて」
出たくないな。
飲み会終了まで居ようかな。
でも不振に思われそうだし。
結局は戻る選択しかないのよね。
せめて三科さんと離れた場所に座ろう、それが一番乗り切れる安全策。
ふらつく頭で考えを決め、私は漸く御手洗いから出る気にはなった。

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