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第5章 不合格

　普通の治療院なら絶対、触れないように気をつける部分だ。
だが今日は武藤に教わった通り、偶然を装ってマッサージの途中、何度か乳房に触れてみる。
嫌がる素振りは無い。
体を捻って胸を庇おうとする節も無い。
よし、ここはクリアだな。

さて、腰から足にかけてのマッサージだが問題は、いかに自然に尻に触れるかだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　まず腰を普通に揉み、骨盤の横の部分を摩ってみる。
ここで大きく手を拡げ、尻そのものに指が触れるようにする。
この時の手の上下運動は、見方によっては尻を撫で回しているように見えなくも無い。
マッサージとはいえ、この動きは女にとって抵抗のあるものだろう。
だが恵はピクリとも動かない。
俺の指の動きに為すがままだ。