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お嬢様は幽霊執事にお困りのようです
第2章 2
「あ......」

 ――そんなこと考えてもいなかった。

 私にとって、霊が見えて話せることは当たり前のこと。嫌だとさえ思う能力。

でも――世間一般的にその能力を持っている人間は限りなく少ない。

 それだけで、初音が話せる人間は限られる。でも――だからって......。

「お嬢様、貴女の言いたいことも分かります。私のような男にいきなり言い寄られ、さぞ驚いたことでしょう。不気味と思ったかも知れません。然し――僕は貴女から離れる気なんてない」

 真剣な表情......。そんな顔で言われたら断ることなんて出来ない。

 気持ちが揺れる。彼の言葉に合わせ、自身の心臓が高鳴るのが分かる。これだから綺麗な人は狡いのよ。
 初音の言葉はまだ続く。

「貴女と出会ったとき、私は確かに運命的なものに振りまわされていた。しかし、それと同時に......漸く希望を見つけられたと思ったのです」
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