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第15章 もしかして…嫉妬？

「夏川さんは御結婚されてるんですか？」

里中は琉のマリッジリングを見ながら聞く。

「はい…」

「そうなんですよ！ 同期の女の子とね、高校時代からの付き合いだったそうです」

琉の言葉を遮り、佐藤が興奮気味に話す。


「……高校？」

里中が訝しげな視線を琉に向ける。

「愛里咲の高校時代の同級生か？」

里中の言葉に、琉は口端を引き上げて答えた。


「そういえば里中さん、愛里咲ちゃんと知り合いっぽかったですよね？」

琉と里中の様子を見た佐藤が問う。

初めて里中が商談に来た時、里中が愛里咲に声を掛けたのを佐藤も目の前で見ていたのだ。


「……ええ、初カレってヤツですかね」

里中は、琉に挑戦的な目線を送る。

「はは…初カレっすか……」

佐藤はしまったと言う顔をし、チラリと琉を盗み見る。
明らかに不機嫌になった琉に、佐藤はゆっくりと腰を上げた。


「愛里咲が初めて付き合った彼氏で、初めてセックスをした相手」

琉は不機嫌な視線を里中に向ける。


「お…俺、トイレ行って来よっかなぁ……」

佐藤はすくっと立ち上がり、トイレにダッシュした。