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第8章 潜入～後宮のおんなの哀しみ～

　妓房だけではない、国王さまの住まう王宮にでさえ、そんな不実な男は存在するのだ。情事を楽しむだけ楽しんで、用済みになれば女を殺す、考えただけで虫酸が走るような男ではないか。






　とはいえ、ここまでは憶測の域を出ないのも事実ではある。セリョン自身、かなりの確率でその推理が真実に近い確信はあったものの、単に憶測だけでシン内官を殺人犯と決めつけられはしない。