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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第60章 葛藤
「良いか、公主さまを助けたのは他の誰でもない、私だ。昨日も言い聞かせたように、そなたはあの場所にはいなかった」





 この一点だけは、弟によくよく言い含めておかねばならない。愚鈍とはいえ、弟にも人並みの欲はあるかもしれない。万が一、途中で気を変えられ、公主を助けたのは兄ではないなどと言いふらされたら、非常に困った立場になるではないか。
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