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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第60章 葛藤
 試したことはないが、果たしてあの阿呆がまともに文字を読めるのかすら、疑わしいものだ。




 思った通り、弟はそこにいた。いつものように、彼自身があたかも壁にくっついている蔓のように、壁に向かって立ち尽くしている。この炎天下に、何が愉しいのだろう。時々は、うっすらと笑みさえ浮かべている。
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