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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第7章 漆黒の夜桜
「つまりは、まだ王として足場の固まっていない朕の足下を揺さぶろうとして、何者かがわざと起こした事件であるということか?」
王は溜息をつき、組んでいた手を解き、背中を椅子に預けた。
「実は朕もその可能性は考えてみた。即位後まもない朕の膝元でそのような怪事件が続けば、それこそ新しい王の不徳の致すところだ天の怒りだと民心が揺らぎ、いずれ玉座にふさわしからぬ者が即位したゆえだと民が騒ぎ出すことになりかねん」