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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第4章 発覚

「先刻、お前は言ったな。朕が何もかもに恵まれていたと」
ムミョンは黙って兄を見ている。王は首を振り、吐き捨てるように言った。
「朕から言わせれば、お前の方こそ朕が手にできなかったすべてを手中にしていたのではないか。良いか、よく聞け。父上の意は最初から朕にはなかった。父上が愛情も関心も向けられたのは、長男たる朕ではなく、弟のお前だ。いや、我が子だけではない、父上は明らかに朕の母を疎んじていた。あの方の寵愛を独り占めにしていたのはお前の母親で、朕の母ではなかった。母上は去年、亡くなるまでそのことを嘆かれていた」
ムミョンは黙って兄を見ている。王は首を振り、吐き捨てるように言った。
「朕から言わせれば、お前の方こそ朕が手にできなかったすべてを手中にしていたのではないか。良いか、よく聞け。父上の意は最初から朕にはなかった。父上が愛情も関心も向けられたのは、長男たる朕ではなく、弟のお前だ。いや、我が子だけではない、父上は明らかに朕の母を疎んじていた。あの方の寵愛を独り占めにしていたのはお前の母親で、朕の母ではなかった。母上は去年、亡くなるまでそのことを嘆かれていた」

