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歳下の悪魔
第8章 切なさと思い

「ボツじゃーん。こんなに塩分値高いのー」
美月がぶつぶつ言いながらも、次の書類に取りかかっている。
いつも通りの日常。
私もみんなもパソコン作業。和真は機械に向かって作業をしていた。
和真はあれから、本当に部屋に来ない。
今日は金曜日。何も変わらない平穏な日々の中、私だけが彼とのセックスについて考えている。
縄やバイブでイって、充分なはずなのに。
和真の性器を挿入して欲しいだけなのか、挿入しない彼の秘密を知りたいのか、もう分からなくなっていた。
「優華先輩。物品部行ってきます。ゴミ袋がないんで」
「うん。よろしくね」
和真ももう何度か物品部へ行っているから、任せても大丈夫な状態。それに機械が両方とも稼働している間は、することもないだろう。
「物品部行ってきまーす!」
全体に聞こえるように言ってから、和真が二課を出て行く。
「和真くん、何を取りに行ったの?」
敦子が訊いてくる。
「ゴミ袋がないそうですよ」
「そっか……。A4用紙も少ないのよね……」
「私、行ってきます」
敦子が手を合わせるのを見てから、二課を走り出た。和真がまだエレベーターに乗っていなければ、伝言だけで済む。
期待は外れ、一基は上がってくるところで、もう一基は上へ向かっていて和真の姿はない。
「しょうがないか……」
上がってくるエレベーターを待って、私も物品部へ行くことにした。
入れ違いになったらしく、物品部の社員から若い子ならもう帰ったと言われてしまう。ゴミ袋より用紙の方が重いから、そっちを和真に任せたかった。そう考えながらエレベーターへ戻ろうとすると、階段の方から和真の声が聞こえる。
仕事だけじゃなく、プライベートでも聞いている声。間違いない。
何をしているのか近付くと、聞き覚えのない女性の声もした。
「そうなんですか。先輩みたいな人、憧れますよ」
「上手いわねぇ。遊び慣れてるみたいよ?」
和真も女性も笑っている。
「今度、呑みに行きませんか?」
「若い子からの誘いなんて、嬉しいわ。いつにする?」
そこまで聞いて、エレベーターの方へと歩き出した。

